FL Studio › FL Studioでループ素材を作る — レッスン 1 / 1
FL Studioでループ素材を作りDigitaktとP-6へ渡す
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ねらい
FL Studioで3つの作り方(作曲・リサンプリング・既存サンプル加工)からループ素材を1つ作り、初代DigitaktとRoland AIRA Compact P-6のどちらへも正しい形式で渡せるようにする。ここではFL Studio側の「作る」工程を横断的にまとめ、機種固有の転送・Chop・Slice手順は各レシピへ進む。
できあがり
FL Studio: 1小節、目標BPM固定、頭が揃ったWAV
│
├─ Digitakt: 16-bit/48kHzモノラルへ変換して+Driveへ
└─ P-6: 元のサンプルレートのままSD/SampleToolでImport
3手法のどれで作っても、最終的にこの1本のWAVへ収束させる。
始める前
- FL StudioのプロジェクトBPMを、渡す先の機種で鳴らす目標BPMへ先に合わせる。
- Digitaktへ録音・書き出しする場合、外部入力を録音できるFL Studio Producer Edition以上が必要(詳細はFL Studio)。
- 書き出したWAVの置き場所は用途別フォルダに分ける。構成例はFL Studioで音作りしてDigitaktのサンプルにするの「ファイル整理の目安」を参照。
手順
1. 共通土台:BPM・小節長・シームレスなループを決める
- 渡す先の目標BPMを先に決め、FL StudioのプロジェクトBPMを同じ値にする。
- 小節頭から次の小節頭までを厳密にループ範囲にする。余白や拍ずれは、後段のChop/Sliceで直そうとしない。
- 元素材にBPMがある場合は、自動検出だけに頼らず配布元の表記や実測値で確定する。
このBPM合わせと小節範囲の考え方は、後述のP-6向けタイムストレッチでも土台になる。詳しくはFL StudioでP-6用ループをテンポ補正して書き出すの「基本方針」を参照。
2. 手法A:プラグイン/シンセとChannel Rackで作曲する
- Channel Rackにプラグインシンセやサンプラーチャンネルを立ち上げ、役割を1つに絞る(例:ベースの一音、コードスタブ、1小節のドラムパターン)。
- ステップシーケンサーで打ち込み、Playlistへドラッグしてループ範囲を確定する。
- 書き出したい音だけが鳴るよう、専用Mixer Insertへまとめて他をミュートする。
3. 手法B:リサンプリング/Edisonで固める
- エフェクトをかけた音やMixerの出力をEdisonで内部録音し、1つのオーディオとして固める。
Resampleは再生速度とともにピッチも変わる点に注意する。意図的なテープ速度変化でなければ、BPM合わせの手段としては使わない。- 録音した波形をトリムし、立ち上がりと終わりの無音を削る。
4. 手法C:既存サンプルをSlicex/Edisonで加工する
- 既存サンプルをSlicexまたはEdisonへ読み込み、チョップやタイムストレッチで素材を作る。
- シングルサイクル波形(例:AKWFのようなCC0のワンサイクル波形)を土台にする場合は、ループ再生を前提に扱う。ベース用途の実例はSingle Cycle Waveformでベースを作るを参照。
- 拍に合ったスライスマーカーがある素材は
Slice stretch/Slice map、それ以外はElastique > e3 Generic/e3 Monoを使う。モードの選び方はFL StudioでP-6用ループをテンポ補正して書き出すの「方法の選び方」の表を参照。
5. 共通:書き出す
File > Export > Wave fileでWAVへ書き出す。- 処理後の素材が0 dBFSを超えないよう少しヘッドルームを残し、同じ素材へ繰り返しストレッチをかけない。
- 残響を残したい一打・短いフレーズはExportの
TailをLeave remainderに、ループのつなぎ目を滑らかにしたいときはWrap remainderを試す。
6. 機種分岐:Digitaktへ / P-6へ
- Digitaktへ渡す場合: Elektron Transferで+Driveへ送る(転送時に16-bit/48kHzモノラルへ自動変換される)。手順の続きはFL Studioで音作りしてDigitaktのサンプルにするへ。
- P-6へ渡す場合: SD経由またはP-6 SampleToolでImportする。ChoPで組み替える手順の続きはFL StudioでP-6用ループをテンポ補正して書き出すへ。
素材別・機種別の早見表
| 項目 | Digitakt | P-6 |
|---|---|---|
| ネイティブ/取り込みフォーマット | 16-bit / 48 kHz / モノラル(Transfer時に自動変換) | 最大96 kHz・8/16/24/32-bit linear |
| 転送経路 | Elektron Transfer → +Drive | SD経由 または P-6 SampleTool(一度に最大10MB) |
| 容量上限 | プロジェクト最大127サンプル/約64 MB | 8バンク×6パッド=最大48サンプル |
| 素材の組み替え | Sliceマシンで分割 | ChoPで2〜64分割 |
| 向く素材 | 一打、短いフレーズ、1小節ループ | テンポ同期ループ、ステップ・サンプリング |
次に試すこと
- DigitaktではサンプルをスライスするでSliceマシンの分割を試す。
- P-6ではP-6のChopでループを叩き直すで組み替えを試す。
- FL StudioとDigitaktをMIDIで同期させたい場合はFL Studioを親にしてDigitaktを同期・録音するへ進む。
注意点・失敗例
- Elektron Transferはモノラルへ変換する。広がりが重要なコーラスやディレイは、転送前にモノラル化して聴き、音量や位相が大きく変わらないか確認する。
- 大きなテンポ差ほどタイムストレッチのアーティファクトは目立つ。同じ素材へ繰り返しストレッチをかけず、元WAVから候補ごとに一度だけ処理して比較する。
- テンポ情報(BPM metadata)はFL Studioでの配置を助けるだけで、DigitaktやP-6へImportしたWAVのテンポを自動同期させるものではない。
- Digitaktのプロジェクト容量、P-6のバンク数は、それぞれ機種側の上限であって書き出し側では解決できない。渡す前に使用量を確認する。
関連
- FL Studio
- Roland P-6
- FL StudioでP-6用ループをテンポ補正して書き出す
- FL Studioで音作りしてDigitaktのサンプルにする
- FL Studioを親にしてDigitaktを同期・録音する
- Single Cycle Waveformでベースを作る